Giovanni Allevi 名古屋公演 2018 レポート

ありがたくも5度目を迎えることができた名古屋公演“Giovanni Allevi Piano Solo Concert Japan Tour 2018”。今年は1997年の1stアルバム“13Dita”から昨年発売された最新作“Equilibrium”まで、余すことなく選び抜かれたセットリストとなり、これまでの名古屋公演では最多のスペシャルプログラムでした。

日本をこよなく愛し、17歳のときに初めて作った作品として知られる“Japan”。もの静かに柔らかく繰り返される10小節のイントロに、私の開演前から始まっていた抑えられない高揚感はやさしくなだめられ、同時にこれが毎年味わうジョヴァンニマジックのはじまりだということに気づかされた瞬間でもありました。

 

今年も鍵盤上で縦横無尽に美しく駆け巡る10本の指に魅了され、思いの丈を音に紡いでいくそのさまは、まるで真っ白なページに物語が綴られていくようでした。それはとても88鍵盤だけで生み出されているとは思えないぐらいに、ありとあらゆる情景を見せ、奥深くに眠っていた感情をも呼び起こす、やはりそのときにしか得られない魔法の時間を体感することとなりました。さらに今年は私自身、両足を使ったペダルさばきに釘付けでした。音の減衰を巧みに操り、グランドピアノで弱音を出すシフトペダル(ソフトペダル)がメインといっても過言ではないくらい右足と同様、左足も変幻自在に動かす姿に目を奪われました。弱音から強音まで繊細なニュアンスを表現し、多彩な奏法で一音一音にこだわりがあるからこそ、ジョヴァンニのお人柄とも相まって、不思議なまでに聴衆の心を惹きつけて離さないのだと確信しました。

 「今年こそ生で聴いてみたい!」と願っていた“Water dance”。曲が始まるとともに、水の妖精がこれでもかというぐらい溢れ出て、私の願いが叶ったことをお祝いしてくれているような喜びに包まれたひとときでした。最新作からの“Born to fly”。力強い左手のユニゾンが自分の能力、自分の可能性を信じればいつの日か空高く舞い上がれることへの希望を後押ししているようで、込み上げてくるものがありました。そして事故により左腕を失ってしまった女性ピアニストのために作られた右手だけで演奏される“Helena”。いつものように胸の前で祈りを捧げるようにゆっくり動かす左手ですが、今年は最後のフレーズにさしかかったとき、右手の少し上の方からパワーを送るように添えられて演奏されました。そのとき私は自然と涙が零れ落ち、目を瞑り、祈りを捧げずにはいられない気持ちになりました。

 「アナタタチノ アツイキモチ ドウモアリガトウ」と感謝の言葉を述べられ迎えたラスト曲、“Prendimi”。感謝の気持ちをそのままにお客様から感じ取った熱い気持ちにお返しするように、愛を奏でた演奏でした。今年も鳴り止まない拍手に応え、アンコール2曲、計27曲をほぼノンストップで弾き切ったジョヴァンニ。会場はスタンディングオベーションとともに、温かい空気と穏やかな陽光に包まれているようで、感動の終幕を迎えました。

公演終了後も、限られた時間の中でめいいっぱい愛に溢れたサイン会が行われました。お客様の生の声と晴れやかな笑顔から滲み出てくるジョヴァンニへの愛、そして大切に受け止めたジョヴァンニからお客様へ送る愛の交換は互いにエネルギーとなり、明日の活力へと繋がっていくのだと感じました。今年もジョヴァンニとお客様の心がひとつとなり、その瞬間を目の当たりにできたこと、熱い気持ち、熱い感動を共有できたこと、心から幸せに思います。

  

 Giovanni Allevi様、渾身の演奏を、そしていつも変わらない温かい愛を注いでくださり、どうもありがとうございました。

毎年、通訳でジョヴァンニとの架け橋になってくださる堂満様、どうもありがとうございました。

至福の極上空間の提供、そして毎年温かいご配慮をいただく5/R Hall&Gallery音楽ホールの伊藤様、スタッフの皆様、どうもありがとうございました。

ご協賛いただいた有限会社エーシーワーク様、 金山レディースクリニック様、名古屋日伊学院様、守屋塾様、だんばら内科クリニック様、どうもありがとうございました。

素敵なご縁を運んでくださった坪井様、そしてそのご縁を結び続けてくださった甲斐店長、どうもありがとうございました。

5枚目ともなる毎年名古屋公演限定の素晴らしいプログラムを手掛けられ、サポートしてくださった英子さん、どうもありがとうございました。

 最後に、アンケートにもご協力いただき、今年も名古屋公演を熱い会場として盛り上げ、お運びいただいた120名のお客様、本当にどうもありがとうございました。

   

ond°スタッフ 吉野香織

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