■活動報告■ 全身で楽しむJAZZ体験(JAZZ健サークル)

2020年10月12日(月)
北区ジャズの街プロジェクトKITA JAZZ!
「全身で楽しむJAZZ体験『JAZZ健サークル』」
 
 
「音楽療法とジャズを組み合わせて、『ジャズの街にふさわしい高齢者の健康のかたち』を提案したい。お力をお貸しくださいますか?」
ジャズストリートやコンサート、ジャズ体操、ジャズの聴けるお店紹介など、「ジャズで街を元気に!」というコンセプトで街づくりを進める名古屋市北区の職員さんから電話があったのは今年の3月。
ここまで続けてきた音楽療法や介護予防運動指導が、また新たな形で進化することになり、心が引き締まりました。
最初の顔合わせで、「『介護予防』の言葉を使わず」「難しくなりすぎないようにJAZZ色を出して」「ご高齢者の方がワクワクするような」名前を考えたい、とリクエストがあり、あれやこれやと話し合った後、「JAZZ健サークル」という名前が降りてきて提案したら、職員の皆さんが「それいいですね!」と満場一致で採用となりました。
ほどなくして新型コロナウイルスが拡大し、中止の心配もありましたが、「人数制限をして決行します」と夏に連絡があり、本日無事開催されることとなりました。
ジャズピアニストでond°ピアノ講師の奥村俊彦先生にサポートしていただき、75分間のプログラムを実施しました。
 
65歳以上の男女7名の地域にお住まいの方に参加いただき、JAZZと音楽療法を組み合わせたプログラムで、生楽器と生演奏をふんだんに用いて、頭と手足をたくさん動かしていただきました。
 
・足で「Tennessee Waltz」に合わせてワルツのステップを踏む
・色付きのハンドベルで「Moon River」を演奏する
・4分音符の組み合わせ4種を手拍子でカウントしながら打つ
・そこから2種類のリズムを、組み合わせてボサノヴァ風のリズムに発展させ、手拍子からスティックに持ち替えて「Blue Bossa」に合わせて演奏する
・さらにハネたスイングリズムに移り、シンバルレガートを練習した後、「C Jam Blues」に合わせて、テーマ〜ピアノアドリブ〜4バース(アドリブ)〜テーマで4小節ずつのアドリブ回しをボンゴで体感する
 
など、「JAZZ」と「健康」という、一見正反対に見えるどちらの要素も軸に置いて、楽しさを感じていただけるようなプログラムを作り上げました。
ご参加いただいた方が、とても満足してくださったのがわかり、特にピアノ経験があるという男性の方が「これはとてもいい取り組みだと思う。是非もっと広げてください」と力強い言葉をくださいました。
 
職員の方々も「逆に私たちが勉強になりました」とおっしゃってくださり、介護予防という視点で細かく噛み砕いたプログラムのプロセスによって、JAZZということだけでなく、音楽そのものの仕組みの理解にもつながったことが実感できました。
 
この初めての試みが、僕にとっても、そして「健康と音楽」というテーマにとっても、大きな一歩となったことが実感できました。
普段一人でやっているので、プロのジャズピアニストである奥村先生のサポートも大きな安心材料となりました。
 
今後さらに細分化していくと思われる高齢者と音楽の嗜好ですが、童謡や歌謡曲でやっている基本的な音楽療法や介護予防運動を、さまざまなジャンルで発展させていける可能性が見えて、どんどん広げていきたいと思いました。
 
ご参加いただいた皆さま、貴重なお声がけをくださった名古屋市北区のKITA JAZZ担当の皆さま、サポートしてくださった奥村先生、ありがとうございました◎
 

■活動報告■温楽サロン(音楽療法)レポート

2020年10月8日(木)
久しぶりの音楽療法に関するレポートです。
 
 
6月の再開以来、温楽サロンも回数を重ねてきて、143回目となる今回は、施設での秋まつりでの発表会。
8月からの延期を経て、2度目の発表会となりました。
 
色々と初めてだった昨年に比べて、ご利用者の皆さまの演奏レベルも上がり、またスタッフさんたちが日々のレクリエーションの時間にもしっかりと練習を取り入れてくださったおかげで、グッとやれることもレベルアップし、ご参加いただいた方たちも、スタッフの方たちも、笑顔がいっぱいの発表会となりました。
 
今回初めての参加の女性が、一昨日のサロンの終了後に「ちゃんとできるか不安です」、と涙を流されていらっしゃいましたが、今日は終始楽しそうで、終わったあとも「やってよかったです」と、うれし涙に変わっていました。
他の方も「年に2回はやりたいです!」と強く訴えかけられたり、「まだまだやれる事あるんだね」と自分に自信を持ち直したりして、生きがいを感じていただけたのがわかって、うれしかったです。
 
今回は
1.リズムセッション
2.安里屋ユンタ(三線と沖縄の踊り)
3.瀬戸の花嫁(歌唱)
4.お祭りマンボ(合奏)
5.炭坑節(踊りと楽器鳴らし)
でした。
 
こちらの施設に通わせていただくようになって3年が過ぎて、試行錯誤の中で音楽療法自体も少しずつ変化しながら定着し、皆さまが楽しみにしてくださっていることを実感できています。
これからもひとつひとつ積み重ねていきます。
 

活動報告(個人向け音楽療法)

画像に含まれている可能性があるもの:室内画像に含まれている可能性があるもの:1人以上
個人の音楽療法、現在は2名いらっしゃいます。
クモ膜下出血で麻痺が残った70歳の女性。
脳腫瘍を患い、手術から1年経ち、記憶障害が残った50歳の男性。
歌を愛するご本人たちに、ご家族がすこしでも希望を持ってもらいたいという願いを音楽に託して、任せてくださっています。
普段グループの音楽療法でやっているプログラムも実施しながら、より本人が好む曲やキー設定、楽器練習への移行などでの脳トレーニングと、音楽のトレーニング。
前者は3月から、後者は5月から通ってくださってますが、麻痺で呂律が回りにくかった女性は少しずつ滑舌がよくなり、歌唱力そのものも上がってきました。
男性は歌については高音がよく出るようになり、またキーボードでメロディーを奏でる記憶と指のトレーニングも、明確な目標ができて前向きな言葉を引き出すことができています。
 
2人とも人前で歌う、家族で演奏する、などの目標があるので、それを楽しみにしてより良い人生づくりに協力できることが、僕にとっても楽しみです。
音楽の力の無限の可能性を、感じさせられています。

音楽療法(個人)活動報告

先月から、とある個人の方の音楽療法を依頼されました。

脳腫瘍で脳を半分切除し、記憶障害が残って、退院したものの自宅療養しながらも生きる希望を失いつつあるという男性。
事前に伺った情報では「カラオケは好き」とのことで、1回目は手探りながら90分。
リズム楽器とハンドベル、体を動かすアクティビティは普段のプログラムのままに、カラオケで良く歌う中島みゆきや松山千春などの曲を、本人のキーに合わせて瞬時に転調したところ、生演奏で歌うことに新鮮味を感じた様子で、わずかに笑みがこぼれました。

次までに好きなうたを10曲考えてきてもらう、という、少しでも前向きな考え方になるような宿題を与えて、ご家族にメールをいただいた後の2回目。
世代も近いので、Runner 、TRAIN- TRAIN、ハナミズキ、どんなときも、など僕もカラオケでよく歌っていたような曲が送られてきて、彼のキーに合わせてコード譜を作成しました。
そんな自分の中にあるポップスで音楽療法セッションを行うことの不思議さと、自分も楽しみながら一緒にうたう、という新鮮な感覚を味わうことができました。
そして記憶障害があると伺っていましたが、曲にまつわるご自身のエピソードや、歌詞そのものの持つ意味などを、1ワードから引き出して語り出したり、前回やったセッションの内容など、意味づけされて覚えていることはちゃんと残っている、ということがわかりました。
リズム感もよく、シェイカーなどを振りながら歌ったり身体を動かすことも、すぐに慣れてアンサンブルが出来ました。

感情表現は苦手な方だという事でしたが、ニコッと笑顔で「楽しいです」と言ってくれました。
僕と一緒に飛び入り演奏会に出るという目標ができ、生きる希望を持って家族の方も癒せる存在になれる、そんな個人セッションを作っていきたいと思います。
試行錯誤で、答えのない仕事ですが、音楽の力をかみしめています。
※本投稿はご家族に了承を得ています。

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温楽サロン(音楽療法)活動報告

すまいるハッピー上志段味 デイサービスわくわくオオツカさまにて34回目の温楽サロン(音楽療法)を実施しました。

今回は指揮者を任命したり、楽器の分担をしたりして、新たな役割を担っていただくことでより特別感を持っていただく事を目的としたセッションでした。
昭和30年代の曲を中心として、ラテン系のリズムが感じられる歌謡曲を題材に、カシシや鳴子などの楽器で遠心力により程よく負荷がかかった状態でテンポ感を持って歌っていただきました。
ハンドベルなどは色判断やリズム感が必要になるので、1回で完成するのは難しいですが、セッションを重ねるごとに慣れてきて曲になってきているのが感じられます。
まだまだ色々なことが試せると思いますので、楽しみながら達成感を持っていただけるようにネタを考えていきたいです。

温楽サロン(音楽療法)活動報告

すまいるハッピー上志段味 デイサービスわくわくオオツカさまにて33回目の温楽サロン(音楽療法)を実施しました。

元から楽しみにされている方はもちろん、反応の薄い方の反応を引き出す事が出来た時、大きく成果を感じる事が出来ます。

音楽によるコミュニケーションが成立した瞬間の快感とでも言いましょうか。

僕自身も、過ごした事のない昔の時代に思いを馳せながら、楽しみとリハビリテーションとしての価値を交えながら投げかけ、ご利用者の方達は若い頃を回想しつつ、いまその時の楽しみを共有する。

そして「うた」そのものの持つ力が時を超えることを感じます。

そして、セッションが終わった後、いつも口数が少ない男性のご利用者の一人から、こんなことを言われました。

「先生が昔の懐かしい曲を持ってきてみんなでこうやって歌ってるとね、長かった戦争が終わって、みんなで立ち上がろうって頑張っていた時代のエネルギーなんかを思い出してね、また元気になれるんです。いつも本当にありがとうございます。」

僕も日本に止まらず洋楽でも昔の曲を聴いたり演奏したりする事で、その時代の持っていた凄まじいエネルギーに触れ、元気になる事があります。

音楽は音楽としてだけ存在しておらず、時代の背景があってこそ生みだされたものだという事を再確認しました。

時代の空気感なども携えて、人に活力を与えるようになっていけるよう頑張りたいものです。

温楽サロン(音楽療法)活動報告

26日、すまいるハッピー上志段味 デイサービスわくわくオオツカ様にて32回目の温楽サロン(音楽療法)を実施しました。

ハンドベルやリズム楽器の演奏や歌唱を通して、カラダとココロをたくさん動かしました。

カシシなど取っ手のついたシェイカーで手首や肩をたっぷりと動かし、共に昔を思い出しながらの歌唱と運動。
ハンドベルで色の判別と手首の運動、心癒されるベルの音色とアンサンブルのハーモニーによる視覚と聴覚の刺激。
様々な角度から音楽を練り込んだアクティビティーが好評です。 「疲れたー!」と言いながらも回を重ねるごとに発声や演奏のタイミングが合ってきて、リズム感が良くなって来ているのを感じます。
何より表情が楽しそうです♩